データベース管理者は、RMANで取得したバックアップに関して、ディスクまたは、テープ上に取得したバックアップファイル自体が正常であるか、リカバリに必要な要件を満たしているかなどを検証する必要があります。
また、RMANリポジトリに記録されているバックアップに関する情報(バックアップレコード)を管理する必要がある。取得したバックアップのステータス値は下記のいずれかとなる。
ステータス値 | 説明 |
---|---|
AVAILABLE | 使用可能。RMANリポジトリに記録されているバックアップが、ディスクまたは、テープに存在し、使用できることを意味する。 |
EXPIRED | 期限切れ。RMANリポジトリに記録されているが、すでにディスクまたはテープにバックアップが存在しないことを意味する。 |
UNAVAILABLE | 使用不可。外部に保管されているテープやマウントされていないディスクにバックアップが存在し、一時的に使用できないことを意味する。 |
RMANリポジトリは、データベースの制御ファイル内に格納されている。
■RMANリポジトリに格納されている情報の確認
RMANリポジトリに格納されている情報(バックアップレコード)を確認するには、RMANでターゲットデータベースに接続し、LIST BACKUPコマンド、またはLIST COPYコマンドを実行してバックアップ(バックアップセットまたは、イメージコピー)を指定する。
■バックアップのメンテナンスタスクの実行
RMANリポジトリに格納されているバックアップレコードの情報は、実際のバックファイルのステータスと一致している必要がある。そのために、次に挙げるRMANリポジトリのメンテナンスタスク(クロスチェックなど)を行う。
▼クロスチェック
クロスチェックとは、物理的なバックアップの状況とRMANリポジトリ内にあるバックアップレコードの内容が一致しているかを確認し、異なる場合は、バックアップレコードの内容を更新する処理です。
CROSSCHECK BACKUPコマンドを実行すると、全てのバクアップセットがクロスチェックされる。
RMANのリポジトリ内に記載されている位置にバックアップが存在し、ファイルヘッダーに破損がない場合、バックアップレコードには、AVAILAVLEが設定される。
バックアプガ指定した位置にない場合は、EXPIREDが設定される。
▼期限切れバックアップの削除
RMANでDELETE EXPIRED BACKUPコマンドを実行するとEXPIRED(期限切れ)になっているバックアップレコードがすべて削除される。
▼不要なバックアップの削除
構成済の保存方針に従って、不要となったバックアップを削除することができる。バックアップ先に高速リカバリ領域を指定している場合、バックアップは保存方針に従って自動管理され、新たな領域が必要になった際に削除されるので、不要なバックアップをディスクから手動で削除する必要はありません。
DELETE OBSOLETEコマンドを実行すると、全ての不要バックアップが削除される。
▼バックアップレコードのステータス値をUNAVAILABLEにする
RMANでCHANGE…UNAVAILABLEコマンドを実行すると、そのバックアップレコードのステータス値がUNAVAILABLEに変更されます。
UNAVAILABLEに設定しておけば、外部のサイトにバックアップを移動した場合でも、バックアップの情報をRMANリポジトリに保持することができる。
また、再度バックアップが使用可能に成った際に、ステータスをAVAILABLEに戻すことができる。バックアップが保存されているディスクドライブを一時的にオフラインにする場合など、一時的に使用不可にしている場合に利用できる。
▼OSコマンドで取得したバックアップをカタログ化する
リポジトリに記録されていないバックアップや、OSコマンドによって、取得されたバックアップは、その状態のままでは、RMANによるリカバリ操作では利用できない。
これらのバックアップを利用するには、事前にRMANのCATALOGコマンドを実行して、RMANリポジトリにカタログ化(RMANリポジトリに登録)する必要がある。
[重要]
>>>RMANによるバックアップのメンテナンス機能には、下記のものがある。
・RMANリポジトリに記録されたバックアップのリスト表示
・リポジトリのクロスチェックを行い、リポジトリにリストされているバックアップの有無や、アクセス可否を識別する。
アクセスができなかったバックアップには、EXPIRED(期限切れ)のマークが付く。
・RMANリポジトリから期限切れバックアップのレコードを削除する。
・RMANリポジトリとディスクから、不要になったバックアップを削除する。