【本紹介】『1時間でわかる 図解 稲盛和夫の経営早わかり』

■はじめに

稲盛和夫は、経営を志す者、経営に携わっている者であれば、誰しも指針として学ぶべき人物として、よく知られている。

筆者はあまり経営や啓発については、興味関心を持ってこなかったが、やはり現代に生きる上で必要不可欠な普遍の真理を説いていると思われるため、読書してみた。

【本紹介】『1時間でわかる 図解 稲盛和夫の経営早わかり著者:皆木和義 出版:KADOKAWA

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本書は、簡潔で明解に稲盛和夫の経営哲学、経営理念、そして、彼が提唱したいくつもの鉄則、法則について、全て網羅している。良書としておすすめする。要約本として、座右の書として、常に啓発、学びの書として読み返すと良いと思います。

要約本ではあっても、短文の中に奥深い真理が書き込まれている分、何度も読み返して頭に記憶させるくらいが良いでしょう。

稲盛和夫は、京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者である。
盛和塾(せいわじゅく)を開き、経営者育成に尽力した。
一時経営破綻した日本航空JALの再建にリーダーシップを発揮し、日本経済に大きく貢献した。

稲盛和夫は、アメーバ経営を考案した。

■アメーバ経営を考案した


▼利点
メンバが少なく、成果が数字に出やすいため、当事者意識を引き出しやすい。
計数管理能力を備えたリーダーを育成しやすい
アメーバの採算評価指標が統一されているため、アメーバ間の競争を引き出しやすい

▼欠点
アメーバが自らの採算にこだわり過ぎると、会社全体よりアメーバだけの利益を追求してしまう。
会社全体のレベル観点からすると会社全体の利益よりも所属部署の利益優先となってしまう。セクショナリズムに陥りやすい。
時間あたりの採算など計算に手間がかかり、経費を公正に算出しないと、適正な採算評価ができない。

※セクショナリズムとは、割拠主義のことであり、部署同士で協力し合うことなく、所属部署の利益優先主義となってしまい、全体主義的観点が欠落してしまう。
 セクショナリズムが横行すると、社員のモチベーションが下がったり、組織の健全な成長を妨げたり、不祥事や社会問題に発展することもある。

■稲盛和夫の名言

動機善なりや、私心なかりしか

 稲盛和夫は、利他の心を第一としていた。利己主義は孤立無援となる危険が大きい。

 利他を優先させ、利己は利他よりも少なく抑えることが肝要である。

経営に権謀術数は一切不要

 企業のトップに経つものは、品行方正で立派な人格者であるべきこと。

 正々堂々と立ち居振る舞いをし、正しいやり方を貫けば、運命は必ず開ける。

■稲盛和夫の著書

 世界で、稲盛和夫の著書は、累計発行部数が1000万部を突破している。そのうち日本が500万部ほど。残りは国外で中国が9割を占めている。中国において、稲盛和夫は絶大な人気を集めている。