凍てつく寒さが厳しい季節。2009年1月15日、極寒の気候となっていたニューヨーク市上空850mで乗客乗員155名を乗せた航空機が、突如、バードバーストを起こしてしまう。鴨の群れに運悪く航空機が突っ込んでしまったためだった。両方のエンジンが停止してしまう最悪の事故。
160万人が住む大都会ニューヨークの頭上で航空機墜落のシナリオができてしまう。
制御不能の鉄の塊と化した70トンもの機体は、時速500kmもの高速で墜落していく。
近くの空港に緊急着陸するよう、管制室から誘導指示があったが、機長サリーはそれを不可能と判断した。
不時着する良い場所は無いか、のどかな街が広がる眼下の景色を必死に探す基調と副操縦士。
そして、貴重は目前に広がるハドソン川への不時着を決断する。
バードバースト事故発生からわずか208秒での決断であった。
航空史上、誰も予想しえない絶体絶命のピンチの状況の中、水面への着水という技術的に難易度の高い不時着を見事に成功させる。機長サリーは一躍、“全員生存”の偉業を成し遂げ、一大ヒーローとなる。その偉業は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、サリーは全米が最も注目する英雄として称賛されるのだが、事故調査委員会が調査を進めていくと、ヒーローの前に暗雲が立ち込めてくる――。