ソウシリーズ待望の新作。
期待するも、ソウシリーズとは一線を画す、スピンオフの作品。
主人公ジーク(クリス・ロック)がいい感じで、事件捜査を主導していくのかと思いきや、犯人に翻弄されて、打つ手無し状態に。
ジークの父・マーカス(サミュエル・L・ジャクソン)の貫禄ある演技がストーリーの転換点になるが。
できれば、トミー・リー・ジョーンズばりの捜査陣を総指揮監督する勇ましさ、鋭い采配を見せてくれたら、もっと、ストリート展開を面白く見ごたえのある内容になったと感じた。
逆を言えば、過去のソウシリーズがあまりにも練り上げられたストリート展開であったがゆえに、その対比で視聴者は、言を厳しくせざるを得なくなる。それだけ、歴代のソウシリーズ作品が、どれも俊逸であったということだろう。
その意味で、今回のこの作品は、ソウシリーズにおけるスピンオフの作品としての位置づけを免れ得ない。
否、ソウの名を冠することすら、おこがましいといった厳しいご批判を受けねばならない作品かも知れぬ。
ソウシリーズの迫力さをなんとか継承しようというリスペクトだけは、買うべきか。
名作シリーズが完璧過ぎるがゆえの継承作品の乗り越える困難さを物語る一例と言えよう。