Enterprise Managerは、インスタンスやデータベースを管理する際に使用する主要なツールです。Oracle Database 12cのEnterprise Managerには、Enterprise Manager Database Express、Enterprise Manager Cloud Controlの2種類がある。
種類 | 説明 |
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Enterprise Manager Database Express | 1つのデータベースを簡易的に管理したり、パフォーマンスを監視するためのツール |
Enterprise Manager Cloud Control | Oracleインフラストラクチャ全体を単一のコンソールから監視および管理することが可能 |
■EM Expressとは
EM Expressは、1つのデータベースを簡易的に管理したり、パフォーマンスを監視するための、Webベースのデータベース管理ツールです。Webブラウザを使用して操作する。EM Expressは、Oracleソフトウェアのインストール時に、OUIによって、自動的にインストールされる。
■EM Expressは、Oracle XML DB上に接続するサーブレットです。Oracle XML DBは、XMLデータの処理をサポートするためにOracleデータベースに組み込まれている機能です。EM Expressは中間層のコンポーネントを持たないため、データベースサーバのオーバヘッドはほとんどない。
■EM Expressで実行できる管理作業
EM Expressを使用すると、データベースのパフォーマンス監視や、基本的なデータベース管理作業を実行できる。
EM Expressは、データベースがオープンしている時しか、使用できないため、データベースの起動や停止は実行できない。
このことからEM Expressはデータベースの起動・停止を伴わない、限定された管理作業を行うツールといえる。データベースの起動・停止を含む、すべての管理作業を行う際は、Oracle Enterprise Manager Cloud ControlやSQLベースの管理ツールを使用する。
■EM Expressの構成
DBCAを使用してデータベースを作成すると、EM ExpressのHTTPSポートが自動的に構成されます。通常は、追加の構成作業は必要ないが、何らかの理由でHTTPSポートが構成されていない場合や、HTTPSポートを変更したい場合は、下記の手順にて、実行して、手動で構成する。
▼EM Expressの手動構成
[1]リスナープロセスを起動する
[2]初期化パラメータファイルのDISPATCHERSパラメータにPROTOCOL=TCP属性を追加して、TCPディスパッチャを有効にする。
▼PROTOCOL = TCP属性の追加
dispatchers=”(PROTOCOL=TCP) (SERVICE=<sid>XDB)”
[3]DBMS_XDB_CONFIG.setHTTPSPortプロシージャを実行して、ポートを指定する。これによって、Oracle XML DBリポジトリのxdbconfig.xmlファイル内のHTTPS portが更新される。このプロシージャを実行するには、SYSDBAとして接続する必要がある。
▼DBMS_XDB_CONFIG.setHTTPSPort(ポート番号:5500の場合)
SQL> exec DBMS_XDB_CONFIG.setHTTPSPort(5500):
▼リスナープロセスは、ユーザのインスタンスに対する接続リクエストを受け付けるプロセスです。初期化パラメータファイルはインスタンスの設定を行うためのファイルです。
▼ディスパッチャは、Oracleバックグラウンドプロセスの1つであり、共有サーバ構成という構成で起動するプロセスです。DISPATCHERS初期化パラメータは、ディスパッチャプロセスの構成するためのパラメータです。