革新的なロボット工学を研究する主人公・ジョージ・アルモアは、人里離れた日本の山梨県の山奥に大企業から施設を与えられ、いままでにない画期的な人型アンドロイドの開発研究を進めていた。
ジョージは、雇い主である大企業幹部から成果をまったく上げていないと酷評されていたが、実は、新たなアルゴリズムを開発し、人間と同等の知性を持ったロボットを生み出そうとしていた。
その飽くなき執念の探究は、実は不慮の事故で亡くなった愛妻ジュールを人型ロボットとして、蘇らせるための研究であった。ジョージは、”アーカイヴ”という故人の記憶維持システムによって、日々、故人となった愛妻ジュールとテレビ会話して、交流を行っていた。
ジョージは、この故人の記憶維持システムから違法にデータを取り出し、J1とJ2とバージョンアップしたアンドロイドへ投入して、最終ダウンロード開発に備えていた。
そして、ついに故人ジュールと瓜二つの人間のようなJ3アンドロイドが完成間近となる。
しかし、ジョージが愛娘のように可愛がっていたJ2が思わぬ行動をとるように。
さらに外部何者かに施設が見つかってしまい不法侵入を施設に許してしまう…。
舞台が一応、日本の山梨県の山奥という設定のため、ここ彼処に漢字や日本料亭などが出てくる。
芸者の映像や牛丼?のような日本風を表現した映像が流れる。
最後は、どんでん返しの驚きの結末が待っているが、人間の意識というものが、クラウド上にデータ維持されるという流れは、非常に興味深い。
その人個人の人間としての思考、知識、記憶、判断というものが死んだ後も、しばらく維持し続けることができるという発想は、未来社会で当然のごとく起こってくる現象だろう。