◆ディープラーニングについて

第3次AIブーム(2013年~)が始まり、その中核を成すとされる技術がディープラーニングだ。

AI(人工知能)は、2017年現在において、三度目の潮流にある。

[AI(人工知能)の歴史]

・第1次AIブーム(1956年~1960年):探索・推論の時代

― ダートマスワークショップ(1956年)

・人工知能(Artificial Intelligence:略してAI)の言葉が登場する。

・世界初のコンピュータENIAC(1946年)が登場してわずか10年後にして、AIの概念が発露する。

・・・冬の時代到来

・第2次AIブーム(1980年代):知識の時代

― エキスパートシステムの登場

― 第5世代コンピュータプロジェクト発動:通産省予算570億円

・・・冬の時代

・第3次AIブーム(2013年~):機械の自動学習・ユーマン模倣表現学習の時代

― ネットワークとの接続とビッグデータの活用

― 処理能力の向上

― Deep Learning(深層学習)の活用

 

ディープラーニングがAI(人工知能)の性能を飛躍的に向上させることに期待が集まっているのは、

いままでの長いAIの歴史で登場してきた壁を打ち破るために生まれた技術であるからだ。

第2次AIブームで大きな壁となったのは、コーディングされた処理以上のことは何もAIはできないという

点であった。

事細かにAIに命令文を作成し、そのとおりに動くということに徹底したために、現実世界で起こりうる

例外に対処する柔軟性の欠如が大きな問題としてあった。

決められた作業を繰り返し処理するだけであれば、問題はないが、現実世界では変化に富んだ環境であり、

それを事細かに人がケース分けして、処理の仕方をAIに教えていては、あまりにも膨大になりすぎて、

実用的ではなかった。

この変化に富んだ現実世界に対処するためには、AI自らが自己学習し、発展していくという機械生命体的

発想が必要であった。

かくして、自己学習させるための材料提供、自己学習のための命令文のコーディングに留め、自動的な

学習をさせるに至って、ようやく人並み、それ以上の期待する処理能力を実現し出したのである。

 

(文:加賀美 総善)