◆シンギュラリティ(Singularity)の展望

最近、にわかにシンギュラリティ(Singularity:特異点)について、議論が活発化している。

「2045年問題」として、人類が直面する新たな問題・課題として、議論されている。

技術的特異点を迎えるとされるこの問題は、人間の知性を遥かに超えた存在にAI(人工知能)が到達するとされ、その時、人間が取るべき対処はいかなるべきかを問われている。

極めて楽観論的立ち位置から論じられるこの問題は、果たして予測通りに到来するものなのだろうか。

一つに言えることは、加速度的に発展すると予測するこの議論の内容には、人的影響以外の注力も加わることに大きな特徴がある。長い間、人間は、人間によってのみ進化を積み上げてきた。

それは、唯一考え、社会構築に協力的貢献を成す存在が人間だけだったことを意味する。

だが、これからの時代には、AI(人工知能)が本格的進化を遂げ出す。

彼らが進化を支援するサポーター役を務め、さらに進化を重ねれば、AI(人工知能)が単独で発見や分析をやってのけるようになる。自動進化を遂げ出す。

そして、シンギュラリティを迎えた時、人知を越えた進化を見せる。

これは、ある意味で危険な発展につながりかねないとされ、問題点に挙げられるが、悲観的に考える必要はない。高度な進化を遂げるために必要な研究や試験はますます多岐に渡り、牛歩の歩みでしか発展を遂げられない。

AI(人工知能)が人が成すべき研究、開発、調査、分析、発明、発見、改善を成し遂げる時、進化速度は、飛躍的に伸びる。倍速の発展が期待できる。

高度な分野が増え、人間が成すべき努力だけでは、手に負えないほど多岐に渡りつつある中、進化の歩みを鈍化させずにより盛んに行うためには、膨大な情報量を扱えるAI(人工知能)が決め手と成る。

 

(文:加賀美 総善)